中之条ビエンナーレ2023 ステートメント

 

強制遠近法を使います。
距離感の喪失と再発見を同時体験。
空間恐怖、立っている場所がふわふわぐらぐらと。
曖昧に。

Use forced perspective.
Simultaneous experience of loss and rediscovery of distance.
Spatial fear, the place where you are now standing becomes fluffy and wobbly and ambiguous.

1. 飛行機の窓から見下ろした砂漠を縦断する真夜中の国境線。煌々と照らされ、始まりも終わりも見えないその巨大さとそこまでの距離感を想像したら全身が粟立った。
空間恐怖。

あの感覚を再現するための最初の試み。

2. 海の底から海面を見上げるように地底から地面を見上げてみる。

 


1. 飛行機の窓から見下ろした砂漠を縦断する真夜中の国境線。煌々と照らされ、始まりも終わりも見えないその巨大さとそこまでの距離感を想像したら全身が粟立った。
空間恐怖。

あの感覚を再現するための最初の試み。

2. 海の底から海面を見上げるように地底から地面を見上げ

英訳(ほぼ直訳)鉄道路線図作品についてのステートメント

2021年4月 「個人焦点 アーサー・ファン、みきたまき、桑山彰彦3人展」に寄せて(改訂しました)

 

 

 私の名前は桑山彰彦である。しかし実は生まれた時からこの名前だったわけではない。

8歳になる少し前に桑山彰彦になったのである。理由は曾祖母の家が桑山であり、桑山家が後継ぎがなく途絶えるとかの理由で父が桑山に養子になって名字が変わったのである。

変わる前は村谷彰彦だった。

 

 

 

 その前、父の転勤で小学1年生の終わりに、2年間住んだ東京の大田区から元々生まれ育った大阪に引っ越すことになったのだが、老朽化した大阪の家を修繕する工事をすることになる。

その時は縁あって兵庫県の川西にしばらく住むことになった。

そして川西の環境に慣れ親しむ前に工事の終わった大阪の家に引っ越すことになる。安心している暇もない。

 

小学2年生の1学期の終わりころ夏休みに入る3日くらい前に大阪の小学校に転校して「村谷です。よろしくお願いします。」と自己紹介して夏休みになった。

そして夏休みの間に名字が変わった。

夏休みが終わり2学期になった始業式の日に再びクラスの皆の前に立ち「夏休みの間に名字が変わり桑山になりました。よろしくお願いします。」と自己紹介する羽目になった。よく知らない転校生の名字が変わったことで更に不可解なキャラクターになってしまったのだ。

 

しかしそのうち子供特有の順応力みたいなものによって私は桑山になったのだし周りの人たちも受け入れていったのだと思う。名字が村谷から桑山に変わった時の新鮮さとか違和感とかもいつの間にか忘れ去っていった。

 

 さて、今あなたの名前が突然変わってもあなた自身の中身が変わるわけではない。しかし固有の名前こそがあなたをあなたとして周りに認識させ知らしめているのであって、突然名前が変わってしまったとすれば、周りの人間からすれば

「□□さん?ああ、この間まで〇〇さんだった人ね。」と言った具合になるのであろう。

 

 それと同じようなことを目論んでこの作品を作っている。

 

 いつもみんなが街で見慣れている路線図。

 その地名駅名路線名を、中学校から必須科目で馴染みのある英語に翻訳(直訳)してしまう。

 

  新宿は新宿なのである、しかし英訳するにあたって「新しい宿」という新たな?意味を与え「New Hotel」と名付けてしまうとどうなるか。

音としてしか捉えていなかった名称が急に意味を帯びてしまう。

 

 馴染みのある地名、見慣れている路線図のはずなのに、見慣れない意味を与えられた駅名が並んでしまっている。

 

 自分の立っている場所、知っている場所、知っているつもりだった場所が不安定になってゆく。

 皆さんには是非私の英訳地図を見ていただき大いに混乱したり不確かな感覚を味わったり、記憶を辿ってみたりして欲しいのである。

 

 

 

実は体験型の作品なのです。

Spaghetti Junctions

 

桑山

                                                    2024年6月改

 

 

中之条ビエンナーレ2017 ステートメント

描写による再現性の獲得への欲求は絵を描き物を作る最初の出発点のうちの一つだ。

そのことをもう一度意識するための空間が今度のプロジェクト。

部屋の窓には光を遮るように衝立状の彫刻を、部屋の中心には直方体の彫刻を

薄暗くなってものがはっきりと見えなくなった部屋の真ん中が消失点。

消失点を重心に持つ直方体は仮想の鏡面によって部屋の内側を外側に外側を内側に映し出す。

鏡像化した空間を凝視しようとする視線を爆縮させるための彫刻

 

20180926

 

触覚と身体性に彫刻家として全面的な価値観を注ぎ込むことに飽きた。

そんなものは他人だって表現していることなのだし。

身体性も語りすぎると装飾性に転がり落ちる。

 

それよりも自らが見ている空間環境。それの掌握の仕方。サイトスペシフィックを手段から手法に換えて空間感をでんぐり返す。いろいろでんぐり返してみる。

でんぐり返し方を模索する。その後が痛みを伴う触覚の出番だ。ゼロになるまで圧搾する。